◎著/ 沙原 結菜
◎イラスト/ モゲラッタ
定価:1,200円 + 税
発行:ジュリアンパブリッシング あらすじ キャラクター 沙原先生インタビュー
特典
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応募締切:2015年11月25日(水)

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『Brilliant Life』とは

Web小説サイト上で多くの共感と感動を呼んだピュアで切ない作品がこのたび待望の書籍化。

主人公の理緒と同じ高校生が読んでも、そのくらいの年齢のお子さんがいる親世代が読んでも身に染みるものがある作品だと思います。

幅広くいろいろな年齢や職業の方に読んで頂きたい作品です。

 

あらすじ

大切な人との、早すぎる別れをのりこえて――

幼い頃に両親を失った理緒は、年の離れた兄・貴也と二人きりで暮らしている。

理緒が望むのは、これからも優しい兄との穏やかで温かな日々がずっと続くことだけ。

そんなある日、貴也が病によって余命半年と宣告されてしまう。

たった一人残される妹の身を案じて、親友の知輝に理緒を託したが……。

人や自分を愛すること、生きることの素晴らしさを、優しい視線で描いたピュアで切ない物語。

 

キャラクター相関図

詳細は、キャラクターをクリック!

沙原結菜先生インタビュー

ピアノが好きな美少女・理緒が最愛の兄にして唯一の家族である貴也を病気で亡くし、兄の親友・知輝と同居することになるころから始まる、御曹司の知輝と理緒の年の差恋愛物語――。

『Brilliant Life』はピュアで切なく、涙なしには読めない作品としてオンライン小説サイト上で32万人以上に愛され、このたび書籍化されることとなった。

著者の沙原結菜さんに、作品のもととなったつらい経験のこと、数多くの読者から受けとったあたたかい声、どんなところに力を入れて書籍化作業をしたのかまで、作品の背景を聞いた。

 

 

 

 

――この小説を書きはじめたきっかけから、教えてください。

沙原 こどものころに、とても大切な家族との、早すぎる別れを経験したんです。その経験を通じて感じたことや、大人になるまで生きてきて思ったこと、考えたことを「誰かに伝えてみたいな」と思い立ったことがきっかけです。

 自分も日常的にオンライン小説を読んでいて、学生さんや、わりと自分が身近に感じる方たちが書いていましたので「自分も書いてみようかな」と。

――そもそもはどんな方に読んでほしいと思って書かれましたか。

沙原 そういうイメージはあまりなかったんです。これは恋愛物語ではあるんですけれども、兄妹の絆や男同士の友情も描いていますので、若い女性だけでなく、いろいろな方に読んでいただけたらうれしいな、とは思っていました。

――たしかに、恋愛だけでなく、貴也は親友・知輝に妹の理緒を託し、そして知輝の親戚で弟分的な存在の涼は、貴也とつながりはないけれども学校で理緒を守り……というふうに、想いがあたかも受けつがれてリンクしていくような展開が、印象的でした。

沙原 そうですね。知輝の友達が貴也とも知り合いだったり、貴也の友達と理緒がつながるシーンがあったり……不在の貴也をはさむことで、いろんなひとがつながっていく。そういうものを描きたかったのかな、と思います。

 ウェブで書いていたときには、10代の方からの感想も多かったんですけれども、幅広くいろいろな年齢や職業の方から声をいただいて。「自分の娘に読ませたい」と親御さんから言っていただいたり、お孫さんがいるくらいの年齢の方からも「この小説を読んで、自分もピアノ教室に通いはじめました」と言っていただいたり……。

――もちろん主人公の理緒と同じ高校生が読んでもいいでしょうし、そのくらいの年齢のお子さんがいる親世代が読んでも身に染みるものがある作品だと思います。

 

 

 

 

――ウェブで書いていたときの読者からの反響は、どんな感じでしたか。

沙原 投稿しはじめのころは、ほとんど反応らしい反応はなかったんです。そのうちぽつぽつと感想をいただけるようになり、ランキングに載ったり、そのサイトで行われていたコンテストに参加して選考に残ったりするうちに――結局、入賞はできなかったんですけれども――どんどん読者さんが増えていって。

 私にとっては、それまでの家族や友人とのつながりだけではない、作品を通じて自分とは年代も職業も違う方と交流できる、はじめての機会になりました。そういう意味でも、思い出ぶかい作品です。

 サイト上のオモテに見える感想だけではなくて、個人的にメッセージを送ってくださる方もたくさんいて……本当に読者さんを身近に感じました。

――小説の執筆は孤独な作業だと思いますが、読んでくれる方との交流があったからこそ、最後まで書ききることができた部分もあったんでしょうか。

沙原 そうですね。反応がなかったら、途中でやめちゃったかもしれませんね。

 今回の書籍版ではカットしてしまったところもありますが、読者さんから「もっとこういうところが読みたいです」とリクエストいただいたことで、あとから付け加えたシーンもありました。共感していただけたり、「背中を押されました」と言ってもらえたり、「泣きました」と言ってもらえたことで、「続きを書こう」と思えましたし。すごくたくさんの声をいただいて、私自身、励まされました。

 この物語は、最初のほうに悲しい出来事があるんですけれども、感想をいただくことで、「最後には主人公が未来に対して希望を持つ物語にしよう」という思いが強くなりました。

――終盤、理緒が過去のつらい人間関係に向き合って、決着をつけてから結末にむかうところなどは、読んでいて勇気づけられるひとは多いのではないかなと思います。

 とくに印象的だった感想は、どういったものでしょうか。

沙原 学生さんだと思うんですけれども「今こうして自分が生きていることを、とても幸せに感じました」というようなことを言ってくださって……。「伝えたいな」と思うことがあって書きはじめたものの、そんなふうに切実に感じてくださったことが驚きでもあり、そして嬉しくもありました。

 若い方だけでなく、元・看護師さんの主婦の方とか、「ホスピスで働いています」という社会人の方からも感想をくださいましたね。

――主人公・理緒の最愛の兄である貴也が過ごしたホスピスは、物語のなかで重要な場所になっています。

沙原 私の身近な方が、ホスピスのある病院で働いていときに「こんなことがあったよ」というお話をときどき聞いていたんですが、あたたかいものばかりで……。ホスピスのなかで手作りの結婚式があったり、コンサートをしたり。ホスピスのスタッフさんは、患者さんの遺された時間を満たされたものにするために、ものすごく考えて行動されているんですね。それは自分がホスピスを描くうえで、イメージをつくるきっかけになりました。

 

 

 

 

――とくにこだわって描いたところは、どういったところでしょうか。

沙原 そうですね、大切な人との別れは、たとえ両想いの恋人ができたからといって簡単に癒えるものではないと思うんです。それでただ浮かれてしまうのは、違うんじゃないかな、と。ですから、そこは重いテーマではありますが、しっかりと物語の中心に据えて最後まで書こうと思っていました。そのうえで哀しみの先にあるものまでたどりつけたら、読んでいただいた方にあたたかいイメージを持っていただけるような話にできたら……と。

――ご自分でも気に入っているキャラクターをあえて挙げると、誰でしょう。

沙原 やっぱり、理緒の兄の貴也ですね。貴也は若くして亡くなってしまうのですが、この物語を書くにあたって、もし自分が残りわずかな命だと今言われたら、何を一番にしたいだろうと考えました。そうしたら、できるだけ残される人の気持ちを軽くしていきたいな、と思ったんです。ですので、貴也は自分の苦しみを隠し、穏やかな笑みを絶やさない人として描きました。そこについては、思い入れが強いかもしれないですね。

――『Brilliant Life』には貴也やその親友である知輝をはじめ、自分の大切なひとたちに対して、とても献身的で、心根がやさしい人物がたくさん出てきますよね。

沙原 もともとやさしいひとばかりを書こうとしていたわけではないんです。でも、たとえひどいことがあったとしても、懸命に生きているひとがちゃんとむくわれて、未来に希望を持てるような、あたたかい話を書きたいなと思って書いていくうちに……気付いたらそうなっていたんです。たとえば、貴也の死後に理緒を家に引き取る知輝にしても、貴也の理緒への切実な想いを知って、貴也の短い人生を自分に置きかえて考えてみたときには、きっと何かせずにはいられないよな、と思って書いていたら、そんなふうになっていました。

 私自身、過去に自分がした経験によって「命ってすごくはかないんだな」と感じて……当時はこどもだったのでうまく言葉にできなかったんですが、「悔いの残らないような生き方をしたいな」「少しでもいいようにするには、どうしたらいいんだろう」ということは、どこかいつも頭にあった気がします。

――物語って、「この世の中はこうだ」「人間ってこういうものだ」という作家の強い実感と、「こうであってほしい」という理想や願望が折り重なってできているものだと思うんです。さきほど沙原さんは、ご自身のご経験から「伝えてみたいこと」が生まれてきたとおっしゃっていましたよね。でも実感だけではなくて理想も織り込まれているからこそ、重い出来事を描いているにもかかわらず、読後の読み味は清新なものになっているのかもしれないですね。

沙原 そうですね、理想も入っていますね。現実にはやさしいひとばかりではないですし、つらい経験をしたからといって必ず報われるわけではないと思うんです。でもできることならば、つらい経験をしたひとのまわりには、やさしいひとがいてくれたらな、幸せになってほしいな、という願いもこめて書きました。

 

 

 

 

――この作品は、どんなふうに構想していったんでしょう。

沙原 私はそれまで小説を書いたことがなかったので、最初はプロットも考えずに、登場人物も浮かんできた順に出していきました。

 小説の書き方がわからなかったから、逆に「うまく書こう」と意識もしていなくて。だから、わりと悩むことなく、すらすら書けたところがありました。書きはじめたころは、こんなにたくさんの人に読んでもらえるとも思っていなかったですし。

 それから自分でもだんだんと書くうちに欲が出てきて、「もっとちゃんとした文章を書きたい」と思うようになっていきました。語彙が少ないとか、文章力が足りなくて、書きたい場面が浮かんでもなかなか言葉に表現するのが難しかったり、もっと行間で伝わるような書き方がしたいのにうまくできなかったり……そういうことは試行錯誤しながら、なやみながらの執筆でした。

 主人公の女の子の理緒が、悲しみを乗り越え、優しい人々との出会いや初めての恋を通じて芯をもった女性に成長していく、という大まかな道筋は最初から決めていたのですが、そのほかの細かなエピソードは、物語を書いているうちに生まれていきました。登場人物たちが物語を進めていってくれた――そういう感じがしています。

 「人の命」というのは、それだけを描こうとすると重いテーマですよね。でも、若い女の子でも「読んでみたいな」と思ってもらえるようにしたかったので、それですてきな男性との恋を物語のもう一つの柱として描こうと決めたんです。

――理緒と貴也は最愛の兄妹で、お互いをよく知っているつもりだけれど、それでも知らない姿がある。あるいはお互いを想っているからこそ、見せない姿がある。理緒がそういう、自分の知らなかった貴也を見つけていくというお話にもなっていますよね。

沙原 貴也は理緒にとっては絶対的な、完璧なお兄ちゃんだったので、ほかのひとから見た貴也の姿を理緒があとで聞くことで、「お兄ちゃん、そんなふうにしてたんだ」といろいろ考えるシーンがあってもいいのかな、と。

――それから、理緒が弾くピアノは作中ではとても重要なモチーフですし、作品の透明なトーンをつくっています。ぜひ読者の方には、登場する楽曲を聴きながら読んでいただきたいなと思うのですが、ピアノはご自身でも経験が?

沙原 はい。こどものころから長い間クラシックピアノを習っていたのですが、あまり上手ではなくて。美しい音を奏でられる人へのあこがれがあって、それで音楽にまつわるエピソードも入れていきました。

 執筆中は、何度も曲を聴きながら書いていましたね。ピアノのシーンに登場するのは、自分が好きな曲ばかりなんです。「このシーンはこの曲で」というふうにあてはめていくのは、すごく楽しかったです。

 

 

 

 

――沙原さんが好きな作家や作品があれば教えてください。

沙原 空いた時間にウェブで広くいろんな方の小説を読むことが多かったですね。そういう感じでしたので、自分で書くときもあまりかまえずに「ちょっと書いてみようかな」と。

 オンライン小説って、人気になるジャンルがサイトごとに違いますよね。

――そうですね、「小説家になろう」さんと「E★エブリスタ」さんだけ見ても、全然流行っているものは違いますよね。

沙原 私が投稿していたのは、使っている方には若い女性が多いという印象があるサイトで、ランキングを見ても、恋愛ものが人気になるんだろうと思っていたんです。でも女の子が夢見るような楽しい作品は私には書けないし、そんなに人気は出ないんだろうなあ、と。でも、いざ書きはじめてから、いただいた感想を見ると、本当はいろんな方が読んでいらっしゃるんだ、ということがわかって。

――流行りに合わせようとは思わなかった?

沙原 「そういうものは私には書けないかな」ということもありましたが……「伝えてみたいな」という自分の想いのほうが先でしたし。ベースが自分の経験だったこともあって、何かのジャンルに合わせようという意識はなかったですね。

 私自身は、悲しいお話を読者としては避けていることもあって……とくに参考にした作品もありませんでした。

――ちなみに、小説以外に何かご趣味はありますか。

沙原 熱帯魚というか、アクアリウムが好きですね。もともとあまり外に出て行くタイプではなくて、家でひとりでのんびりしているほうが好きなんです。だから水槽を眺めたり、手入れをしたり……手間はかかるんですけど、そういうのが楽しいです(笑)。

――ああ、アクアリウムの透明感は、ふしぎと作品のカラーとも通じているところがある気がします。

 

 

 

――この作品を書く前と、書いたあとで、心境の変化はありましたか。

沙原 そんなにプレッシャーを感じていたわけではないんですけれども「最後まで書き切りたい」という気持ちはあったので、達成感はありました。そのあとに感想をいただいたり、ぜひ「こういう話を書いてください」というリクエストをもらえたり……。

 これまでの家族や友人たちとの付き合いとはまた別のつながりができて、世界が広がった感じがしました。

 この作品を連載しているころだけでなくて、書き終えて何年か経った今でも、ときどきオンラインで近況報告と言いますか、「元気にしてますか?」というようなメッセージをくださる方もいて。大切な出会いを得たな、と感じています。

――『Brilliant Life』をウェブで読まれた方もたくさんいらっしゃるわけですが、おそらくファンが気にするのはウェブ版から書籍版にするにあたり、どんなふうに改稿されたか、というところだと思います。少し教えていただければ。

沙原 書籍化するにあたって、自分で読み返してみたり、編集者さんから指摘されて気付いたこともたくさんありました。似たような描写になっているようなところがいくつかあって……そういうところは削って整理していきました。とても勉強になりましたね。

 それから、とにかく、文章をしっかりさせました。せりふが長かったり、言いたいことを言いすぎていたり、同じような話をくりかえしていたところに手を入れて。ですから、だいぶ読みやすいものに近づいたんじゃないかなと。削る作業は大変でしたし、削りすぎているのでは、と思う部分もないわけではなかったのですが、やり終えてあとから読み返したときには「すっきりとしたな」と納得する部分もありました。

 ウェブだとまず、ディスプレイにどういうふうに表示されるのかという「見やすさ」を重視して書いていましたので、本のかたちにするときには本に合わせて、細かく変えています。

――ウェブで読んでいた方も、初めて触れる方も、どちらの方にもぜひ読んでいただきたいなと思います。書籍化が決まった今のお気持ちは、いかがですか。

沙原 自分の想いをつめこんで書いた初めての小説だったので「いつか本になったらいいな」というあこがれのようなものはあったんです。でもそれが現実になるとはとても思っていなかったので……機会を得ることができて、おどろいています。

――これからも執筆活動は続けていかれるのでしょうか。

沙原 この作品を書いて、その次にコメディタッチのものを書いてから、時間がなかなか取れなくて、しばらく書いていなかったんです。でも今回、書籍化作業をしたことで、また「書きたい」という気持ちも出てきました。

 今、新しい作品を「小説家になろう」さんで連載開始したところです。命をテーマにした作品はここで書ききった気がするので、今後は違うものを……読んだ方が、ほっと一息ついていただけるような作品を書けたらいいな、と思っています。

 

 

■ウェブ版から、本としてふさわしくなるように ■サイトの流行りを気にせずに書いたことで、幅広いひとに読んでもらえる作品に ■命をテーマにしながら、恋愛とふれあいを通じて成長する主人公を描く ■離別の哀しみという題材を、逃げずに、ブレずに書ききった ■大切な家族との別れが、モチーフの核になった ■読者からの声があったから、いいものにできた

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